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エコノミスト 神谷尚志のコラム

Vol.214 2017年1月27日 日銀のETF購入

日本の株式市場では海外投資家がプライスリーダーと言っていいでしょう。
他の投資部門に比べ、投資戦略が明確で、売買金額も大きいからでしょう。
次のグラフのように、日経平均の上昇幅と海外投資家の日本株買越額には相関性が見られます。
海外投資家が買い越したときには株価はおおむね上昇し、海外投資家が3兆円購入した時は、日経平均は1,500円程度上昇する関係が見られます。

日経平均の変動と海外投資家の日本株購入額

[図]

ところが、2016年末においては、日経平均の上昇幅と海外投資家の日本株買越額の関係にギャップが出ています。
このギャップは日銀のETF(株価指数連動型上場投資信託)購入により起きたものだと推測されます。

日銀は、2016年7月29日、金融政策としてETFを年6兆円のペースで購入していくことを決定しました。株式相場に影響を与えるのに十分大きな額だと思われます。
また、日銀のETFの買い方を観察すると、TOPIX(東証株価指数)が前場で前日引値より下がったときにほぼ買いを入れています。つまり、日銀の買い方は規則的で戦略的だということです。
上のグラフで「海外投資家が3兆円購入した時には日経平均は1,500円程度上昇する」関係が見られますが、日銀についても同様だとすれば「日銀が年に6兆円、ETFを購入すれば、日経平均を3,000円程度押し上げる」効果があるでしょう。

ただし、日銀の日本株の買い方は、ETFを通じていること、TOPIXが前場で前日引値より下がったときに買うという戦略をとっているらしいこと、1年では大きな金額の購入になるとしても1回当たりの金額は必ずしも大きな額とはいえないと思われることから、短期的に相場に与える影響は目立たないように思えます。

海外投資家の日本株購入額と日銀のETF購入額

[図]

参考

最初のグラフにおいて、2014年暮れから2016年初めにおいて乖離が生じている部分は公的年金の大量の日本株買いが関係していると思われます。また、2011年の乖離は東日本大震災(2011年3月11日)が関係していると思われます。

  • 「日経平均株価」(日経平均)に関する著作権、知的所有権その他一切の権利は日本経済新聞社に帰属します。日本経済新聞社は日経平均株価を継続的に公表する義務を負うものではなく、その誤謬、遅延又は中断に関して責任を負いません。
  • 本資料は投資家の皆様にT&Dアセットマネジメントが情報提供を目的として作成したものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。本資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等により作成したものですが、その正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記載された意見等は、本資料作成日時点の資料作成者の見解です。将来予告なく変更されることがあります。投資信託の取得をご希望の場合は、下記のご留意事項を必ずご確認いただき、ご自身でご判断ください。

エコノミスト 神谷尚志のコラムの関連項目

著者: 神谷尚志(かみやたかし)
T&Dアセットマネジメント株式会社 チーフエコノミスト

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